[Youtube]知恩院でパガニーニを演奏しました
皆様こんにちは。京都は記録的な大雨に見舞われましたね。1976年の統計開始以来、4月の観測史上最大の雨量を観測したそうです。しばらくカラッと晴れて乾燥した日が続いたため、あちこちから楽器の不具合を耳にしていた所でした。これで落ち着くといいんですが、なんだか極端な気候になっていっている気もして心配です。
今回は、そんなぐずついた空模様を吹き飛ばす動画をご紹介します!京響YouTubeチャンネルに出演しましたので、そのご報告です。今月7日に、浄土宗の総本山、京都の東山にそびえ建つ由緒正しき知恩院で、パガニーニの撮影をさせて頂きました。
このような場所でファゴットを吹かせて頂ける事は、とてもありがたい事ですし、二度と無い経験でしょうから、それに見合う曲に取り組みたいなと思い、黙々と準備してきました。
オフショットを撮る暇も無かったので、キャプチャを貼りながら当日の記録を残したいと思います。
4月とはいえ、まだひんやりと澄んだ空気の漂う午前8時(気温10℃)。ソメイヨシノはもうほとんど散ってしまいましたが、代わりにと言わんばかりに、満開の八重桜が咲き誇る日に、撮影は行われました。
動画の通り、まずは冒頭の山門のシーンから撮影をしました。この山門(国宝)は、高さ24m、幅50mと巨大なもので、日本最大級の木造門だそうです。これだけ大きいからでしょう、演奏中、野外なのに音が門に反響してきて、驚きました。
撮影スタッフの皆さんは、男坂(男段)と呼ばれるこの急な石段を、ハアハア言いながら何度も行き来し、準備をしてくれました。ありがたい事です。見えない所が、本当に大変なのです。
石段を登り切った先にある御影堂(国宝)では、動画で使われたのは一部ですが、ざっと一曲通して演奏しています。寺院を訪れた方に朝の挨拶をしながら、心の中では参拝の邪魔をしてしまって申し訳ない気持ちもありましたから、サクサク進めました。(基本的に全シーン一発撮り。)
場面が色々入り乱れていますが、撮影ではその後、阿弥陀堂、大鐘楼、友禅苑と撮っていきました。
友禅苑では、一番の見せ場であるカデンツァを、たくさんの鳥の声を聴きながら演奏しました。長閑な日に、いきなりファゴットのキュインキュインした音が聴こえてきて、鳥達もさぞ驚いた事でしょう。笑 なんやかんや、一時間ほどで撮影は終了しました。
最後のシーンは、冒頭の山門を中から外に向かって撮影しています。絵画的な空と、額縁のような門の構図が良いですね!
今回の撮影は、終わってみると、自分なりに頑張ったなと思う部分もありますが、「あの箇所、もっと上手に演奏したかったな...!」とか、「もっと音楽的に深めたかったな...!」という気持ちも、やはりあります。しかしきっと、やってる時はこれが精一杯だったのでしょうし、こうして自分の今の実力がよくわかりましたから、この活動を通して得たものをこれから役立てて、日々の京響のコンサートに還元していきたいと思います。
貴重な経験をさせて頂き、本当にありがとうございました。
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